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アクロバット飛行でおなじみのブルーインパルス

ブルーインパルスは、航空自衛隊の存在を多くの人々に知ってもらうためにアクロバット飛行を披露する専門のチームとして活動しています。
正式名称は、宮城県松島基地の第４航空団に所属する「第11飛行隊」です。

さらに、2013年の連続TVドラマ『空飛ぶ広報室』でもブルーインパルスが登場しており、航空自衛隊が全面協力で撮影が行われただけでなく、多くの自衛官がエキストラとして登場したりと当時は大きな話題を呼びました。

2020年5月29日には東京都上空で新型コロナウイルスに対応する医療従事者などに対する敬意と感謝を示すために実施されました。
さらに2021年7月23日には東京オリンピック開会式当日に東京都上空で57年ぶりに五輪の華を添えました。

※アクロバット飛行…航空機を用いて曲芸飛行（特殊飛行）すること。
戦技としては実用性のない飛び方ですが、元々はパイロットの技量や機体の実用性を誇示するためでした。
やがて、相手の攻撃を回避し撃墜するための重要な戦技として認められてから、急速に発展してパイロットの操縦感覚の養成としても行われるようになりました。

※第4航空団第11飛行隊…宮城県松島基地の第4航空団に所属する部隊のことで全国で唯一のアクロバット飛行専門チームです。

※『空飛ぶ広報室』…2012年に幻冬舎より出版されている有川浩の長篇小説。
東日本大震災以前の2010年の空幕広報室（防衛省航空自衛隊航空幕僚監部広報室）が物語の舞台。
美人テレビディレクターと航空自衛隊の元戦闘機パイロットが挫折を経験したという共通点から次第にお互いが惹かれ合い、新たな夢を見つけて成長していく姿を描いた群像劇。
新垣結衣と綾野剛の共演で2013年にTBSよりTVドラマ化されました。

ブルーインパルスの本拠地は松島基地

松島基地は、宮城県東松島市にあります。
1982年に静岡県浜松市の浜松基地から松島基地へと本拠地を移しましたが、2011年3月11日に発生した東日本大震災の津波により大きな被害を受けました。
それから、松島基地の復旧と津波の対策の目処が立ち、2013年3月30日に2年ぶりの帰還を果たしました。
松島基地が被災した当時、ブルーインパルスは九州新幹線全線開通記念イベントで福岡県の芦屋基地に移動していたので難を逃れましたが、予定されていた展示飛行は中止となり幻のイベントになりました。

※九州新幹線全線開通記念イベント…2011年3月12日に全線開通した九州新幹線を記念するイベント。しかし、始発1番列車の出発式典や各駅の記念イベントなど全て中止になりました。

東京オリンピック開幕を祝うブルーインパルスの展示飛行（2021年7月23日）

▲ブルーインパルス2021ツアーパッチデザイン

2021年7月23日に1964年の東京オリンピックでも開会式で五輪の輪を描いた伝説の飛行が57年ぶりに復活されました。

ブルーインパルス7

また当日は、聖火リレーのゴールに合わせて午後12時40分頃からフライトを開始し、約15分間の展示飛行が行われました。

華麗なアクロバット飛行で魅了

ブルーインパルスの魅力といえば、見る人の心を奪われるほどのアクロバット飛行です。
青と白にペイントされた全6機が、人間業とは思えないほど一糸乱れぬ隊形で高度な操縦技術を駆使します。
技の種類は多岐にわたり、大空をキャンバスに小回りを利かせた爽快なパフォーマンスが繰り広げられます。

ブルーインパルスの使用機体

航空自衛隊HPより抜粋

第11飛行隊が使用しているのは、三代目ブルーインパルスとして採用された航空自衛隊中等ジェット練習機T-4の戦技研究仕様機です。
二代目機種T-2の後継機として採用された機体で、小型で丸みのあるフォルムから「ドルフィン」と呼ばれています。
そこから、ブルーインパルスのパイロットを「ドルフィンライダー」、地上クルーを「ドルフィンキーパー」と呼ばれています。

ブルーインパルスのパイロットの一員になるには

ブルーインパルスのアクロバット飛行は一見華やかですが、危険と隣り合わせの大変な仕事のため、パイロットの中でも身体・技能ともに優秀でないと入ることのできない精鋭部隊です。
ブルーインパルスのパイロットの一員になるには、まず、航空自衛隊に入隊するのが前提ですが、航空身体検査基準を満たしている必要があります。
それから、練習機による操縦訓練を受けてウイングマークを授与された上で、戦闘機のパイロットになり、その中からさらに高い基準を満たした者が選出されます。

航空身体検査基準…防衛省が定めた航空身体検査の合格基準のこと。詳しい内容は航空学生募集要項に記載されています。
ウイングマーク…制服やフライトスーツにの左胸に着ける鷲のマークで、航空自衛隊パイロットの証です。

ブルーインパルスのパイロットの任期は3年

1995年以降から、3年交代という早いスパンで任期終了後、元の部隊に戻る体制になりました。
任期してから1年目は、TRの演技修得と展示飛行のナレーションの担当と後席に搭乗をし、2年目はORとして展示飛行を実際に行います。
そして、3年目は展示飛行を行いつつ、担当ポジションの教官としてTRメンバーに演技の教育を行います。